日立エナジーが1億ドル超の投資によりカナダの変圧器工場を増強

日立エナジーは、北米における変圧器の需要増加に対応するため、1億ドル超の投資を行い、カナダ・ケベック州ヴァレンヌの変圧器工場を増強します。具体的には、ヴァレンヌの変圧器工場に、変圧器とHVDC向けの最先端の試験施設を新設するとともに、既存設備の更新を行います。試験施設は、130,000平方フィート(約12,000平方メートル)の広さで、2027年末までに完成予定です。また、工場増強に加えて、モントリオールにエンジニアリング・設計センターを新設します。本投資により、約70名の新規雇用を創出します。

本投資の一部は、ケベック州政府所有の投資会社であるInvestissement Quebecからの資金提供によるものです。また、本件は、日立エナジーが2024年4月23日に発表*1した、変圧器の製造能力向上に向けた投資の一部です。

*1 日立エナジーが15億ドル超の投資により変圧器の製造能力を向上 (hitachienergy.com)

変圧器は、効率的な送配電を実現する機器であり、電力網において重要な役割を果たします。また、再生可能エネルギーの連系、系統間連系、データセンターへの電力供給、運輸分野の電化などにも必要な機器であり、エネルギーシステムの脱炭素化を促進するものです。

ヴァレンヌ工場は、1971年に開設された、北米における変圧器の主要製造拠点の一つです。大型の昇圧変圧器や、高電圧の単巻変圧器、分路リアクトル、静止型無効電力補償装置向け変圧器、HVDCシステム向け変圧器など、高品質かつ幅広いラインアップの変圧器の設計と製造を担っています。容量は100MVAから1,200MVA、電圧は世界最大クラス*2の800kVの変圧器を製造しています。面積は300,000平方フィート(約30,000平方メートル)で、約330名が勤務しています。同工場は、北米の電力網を支えるとともに、大型の再生可能エネルギープロジェクトにも製品を提供しています。

*2日立エナジー調べ(2024年4月29日時点)

ケベック州は、2050年までのカーボンニュートラル達成に向けて、150TWh以上の電力量を追加することなどを目標に掲げています。今回の工場増強は、ケベック州の目標達成を支援するものです。

日立エナジーの変圧器ビジネスユニット担当役員のブルーノ・メレスは、「変圧器や電力設備の需要は、前例のない規模で成長しています。再生可能エネルギーやデータセンター、産業の電化など、急速な成長を見せる分野において、変圧器の需要は高まっています。それに対して、当社は、お客さまの中長期的なニーズに対応するための投資を行っています。一方で、ケベック州は、エネルギー転換に向けた取り組みを強化しています。今回のケベック州政府の支援により、変圧器の需要増加への対応が可能となります。」と述べています。

日立エナジーは、ヴァレンヌ、モントリオール、ケベックシティにおいて、550名以上のエンジニアと熟練の製造作業者を雇用しており、カナダ全土では1,000名以上の従業員を擁しています。