エネルギーのパイオニア
日立エナジーは2021年6月30日に正式に設立されましたが、当社のストーリーはそのはるか前から始まっています。当社は、前身であるABB社と親会社である日立製作所の双方から受け継がれた250年以上にわたる企業の伝統を持ち、その歴史は、お客さまだけでなく、大きく社会全体によい影響をもたらしてきた技術革新の長い伝統に根ざしています。
19世紀の三相発電機による送電図
当社の歴史は、19世紀後半のヨーロッパで、第二次産業革命の時期に電気メーカであるASEAとBBC(Brown Boveri & Cie) が設立された時までさかのぼります。当時は技術が大きく進歩した時代であり、ASEAやBBCなどの先駆的な企業は、送電、鉄道、その他の同様の産業技術を導入することで成功を収めました。
日立の創業者 小平浪平
同じ頃、世界の反対側では、日本が独自の産業革命の真っ只中にありました。明治時代に導入された近代化プログラムにより、小平浪平のような革新的で先見の明がある人々が日本の産業基盤の構築に参加できるようになり、そうした取り組みが社会として推奨されました。1910年、小平は36歳で、「優れた独自の技術と製品の開発を通じて社会に貢献する」ことを目標に日立製作所を創業しました。
その後数十年の間に、これら3社は各々の分野で業界のリーダーとなっていきました。1988年、ASEAとBBCが合併してABBとなりました。新会社はスイスのチューリッヒに本社を置き、170億ドルの収益を上げ、世界中で16万人を雇用しました。特に、パワーグリッド部門は、革新的なエネルギーソリューションや先駆的な技術を活用し、増大する電力需要を満たしつつ環境への影響を軽減する取り組みにおいて重要な役割を果たし、迫り来るエネルギー移行の中で際立った存在となりました。
あらたな目標
2020年、日立とABBのパワーグリッド事業はジョイントベンチャー事業として統合され、日立ABB パワーグリッドが設立されました。ABBの世界的な実績を有する電力網ソリューションと日立の高度なデジタル技術を組み合わせることで、新会社は市場および技術のリーダーとして独自の地位を確立し、グローバルなエネルギー移行とエネルギーシステムの脱炭素化に積極的な役割を果たしています。
その1年後、日立エナジー株式会社の正式登記後に日立エナジーへの移行が発表され、すべての人のために、持続可能なエネルギーの未来を推進するという、新たな目標が掲げられました。2022年12月28日、ABBはジョイントベンチャーの残りの持分を売却し、日立エナジーは完全に日立製作所の傘下に移行しました。
スイスのチューリッヒにある日立エナジー本社
日立エナジーの、先駆的なテクノロジーリーダーとしてのストーリーは続きます。日立エナジーは、世界のエネルギーシステムをより持続可能で、より柔軟性があり、より安心・安全なものとする取り組みを進めています。当社は、お客さまやパートナーと協力しながら、今日と今後の世代のために、持続可能なエネルギーの未来を実現していきます。