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日立エナジーが、米国最大電圧・容量の 自励式HVDC変換所2基の受注契約を完了
SunZia送電プロジェクトの建設予定地
3,000MW、525kVのHVDC変換所により、米国南西部への再生可能エネルギー供給を支援
日立エナジーは、このたび、米国の再生可能エネルギー開発会社であるPattern Energy(パターン・エナジー)との、3,000MW、525kVのHVDC変換所2基の受注契約を完了しました。今回納入するHVDC変換所は、米国・ニューメキシコ州に建設されるSunZia(サンジア)風力発電所とアリゾナ州の送電網を885km(550マイル)以上にわたり連系するサンジア送電プロジェクト向けのもので、当社の自励式HVDCシステム「HVDC Light🄬」を用います。本プロジェクトは、南カリフォルニアをはじめとする米国南西部に再生可能エネルギーを供給する、米国最大電圧・容量1かつ世界最大規模の自励式HVDCプロジェクトとなります。また、送電距離においても、米国最長規模になります。当社は、すでに本プロジェクトのパートナーとして、段階的に作業を進めており、2026年のサンジア風力発電所の試運転に向けて、HVDC変換所を2025年末までに納入する予定です。
サンジア風力発電所は完成後、約300万人の電力需要を満たす2、3,500MWの発電容量を持つ予定です。日立エナジーは、この電力のうち最大3,000MWを米国南西部の電力網へ効率的に届けるためのHVDC変換所を提供し、家庭や企業がアクセスできる持続可能なエネルギーの大幅な拡大に寄与します。また、天候などの不測の事態により電力の流れが一時的に中断された場合の復旧に用いる交流チョッパ3も提供します。当社はすでに本プロジェクトにおけるHVDC変換所の設計とエンジニアリングに着手しており、今回納入する設備が既存の送電網に与える影響を考慮した最適な解決策を提供するための調査・分析を実施しています。
SunZia送電プロジェクトのルート
日立エナジーのグリッドインテグレーションビジネスユニット担当役員であるニクラス・パーソンは、「米国南西部の人々のために、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速することを誇りに思います。本プロジェクトにより、パターン・エナジーは、CO2排出量ゼロの電力を地域の電力網に連系することができます。当社は、豊富なノウハウを組み合わせたHVDC技術により、再生可能エネルギー源を効率的かつ確実に活用し、米国のカーボンニュートラル目標の達成を支援するパートナーとして選ばれています。」と述べています。
パターン・エナジーのハンター・アミステッドCEOは、「日立エナジーとの協業は、サンジア送電プロジェクトにとって重要なマイルストーンであり、再生可能エネルギーの需要が高い地域に大規模な電力を届けることを可能にします。HVDC技術は、電力網の信頼性とレジリエンスを高め、クリーンエネルギーの供給と米国における持続可能なエネルギーシステムの展開において極めて重要な役割を果たします。」と述べています。
日立エナジーは、北米の建設会社であるQuanta Services(クアンタ・サービス)と提携し、サンジアプロジェクトサイトでのHVDCのターンキープロジェクトソリューションを提供します。クアンタ・サービスは、公益事業、再生可能エネルギー、通信、パイプライン、およびエネルギー業界に特化したインフラソリューションを提供する業界リーダーです。本コラボレーションは、両社のコアコンピタンスを活用して、プロジェクトに最高クラスのソリューションを提供することを目的としています。
日立エナジーのHVDCについて
日立エナジーのHVDCソリューションは、HVDC変換バルブおよびデジタル制御プラットフォームMACHTM4、変換用変圧器、高電圧開閉装置、システム調査、設計・エンジニアリング、供給、据付管理、試運転に関する世界トップレベルの専門知識を結集したものです。
HVDC Light🄬は、日立エナジーが開発した変換技術で、変換所がコンパクトかつ電力損失が極めて低いという特長を有しており、各国送電網の相互連系、再生可能エネルギーの連系、陸上から洋上への電力供給など、多くの場面で活用されています。また、送電線設置のための用地確保が困難な都市部においても、大容量かつ高品質な電力供給を可能とします。
日立エナジーは、約70年前に商用HVDC技術を開発し、以来、世界のHVDCプロジェクトの半分以上を納入してきました。北米においても半分以上のHVDCプロジェクトでシステムを納入しており、実績としては、太平洋岸北西部からロサンゼルスまで送電する「パシフィック・インタータイ連系線」や、世界初の大規模多端子HVDCシステム「ケベック・ニューイングランド連系線」5、カナダ・ニューファンドランド島とノバスコシア州を結ぶ「マリタイム連系線」などがあります。また、近年の新しいHVDCプロジェクトとしては、シャンプレーン・ハドソン・パワー・エクスプレス6、ハイドロ・ケベックによるシャトゲ変換所の設備更新7、ユタ州とカリフォルニア州ロサンゼルス地域を結ぶインターマウンテン・パワー・プロジェクト8などを発表しています。
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供するとともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界90カ国に約40,000人の従業員を擁しており、140カ国以上の導入実績と、約1兆円の事業規模を有しています。
詳しくは、ウェブサイト(https://www.hitachienergy.com/jp/ja)をご覧ください。
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日立は、データとテクノロジーでサステナブルな社会を実現する社会イノベーション事業を推進しています。お客さまのDXを支援する「デジタルシステム&サービス」、エネルギーや鉄道で脱炭素社会の実現に貢献する「グリーンエナジー&モビリティ」、幅広い産業でプロダクトをデジタルでつなぎソリューションを提供する「コネクティブインダストリーズ」の事業体制のもと、ITやOT(制御・運用技術)、プロダクトを活用するLumadaソリューションを通じてお客さまや社会の課題を解決します。デジタル、グリーン、イノベーションを原動力に、お客さまとの協創で成長をめざします。2022年度(2023年3月期)の連結売上収益は10兆8,811億円、2023年3月末時点で連結子会社は696社、全世界で約32万人の従業員を擁しています。
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