1 min read
安全で信頼性の高い電力の相互接続を実現し、送電網のデジタル化に貢献 畠山 泰典
グリッドインテグレーション事業部、ソリューションエンジニア、日立エナジージャパン
私は、2016年の入社後、太陽光発電所向けのパワーコンディショナ、変圧器および中電圧開閉装置のフィールドサービス、マーケティング、技術営業として事業に関わっておりました。
修士課程の研究テーマが超伝導材料の研究であったこともあり、直流送電などの電力システムに興味を持ち、電力システムにおいて世界トップクラスの技術を有する現在の日立エナジージャパンに2020年に異動しました。
現在、日立エナジージャパンでは、グリッドインテグレーション事業部のオペレーションチームに所属し、ソリューションエンジニアとしてデジタル変電所*1 の保護監視制御システムを中心とした変電所プロジェクトに携わっています。主な業務は、デジタル変電所の保護制御監視システムのエンジニアリングおよび試運転調整です。
エンジニアリング業務では、保護制御監視に係わるハードウェアやソフトウェアの取りまとめや、お客さまとの折衝、技術関連資料の作成などを担当し、試運転調整業務では、工場から派遣されるスーパーバイザーと協力して、機器の品質管理、保護リレー試験、機器動作試験などを担当しています。
日本国内では高度経済成長期に建設された工場の変電設備の更新、さらに近年急速に増加する再生可能エネルギーの導入やデータセンターの建設ラッシュより、変電所の建設需要が高まっています。
日立エナジーは、海外において非常に強力なプレイヤーとして多くの変電所のプロジェクトに関わっており、特にIEC61850*2 規格により設計されたデジタル変電所向けの機器においては世界トップクラスの技術を有しています。従来型の変電所では、高電圧機器(ガス絶縁開閉装置(GIS)、空気絶縁開閉装置(AIS)や変圧器等)と保護制御監視機器を大量の銅ケーブルで接続してシステムを構成していました。
一方、デジタル変電所では、銅ケーブルの使用量を削減し、光ファイバーケーブルも用いてシステムを構築することで、設置面積の省スペース化やCO2排出量の削減が可能となります。また、高電圧機器から取得したデータを活用することで、より高度な変電所の監視および運用が行えます。
こうした高度な技術を国内の変電設備に広げることで、変電所の簡潔化によるコストや環境負荷の低減に加え、監視制御システムの高度化に貢献できることに誇りを感じています。今後も多くのプロジェクトに関わり、デジタル変電所の技術者として邁進していきます。
日立エナジーは、2004年に世界初のIEC 61850変電所自動化システムを導入して以来、GIS/AIS、変圧器、保護制御監視システムなどで構成されるデジタル変電所のソリューションプロバイダーとして世界有数の技術を有しています。最先端の技術に触れながら日本の電力システムの高度化に貢献できることに刺激を受け、日々業務に携わっています。これからも発展し続ける電力システムに技術者として貢献できるよう努めていきます。
デジタル変電所は、従来の変電所と比較して、最大で80%の銅ケーブル使用量の削減、40%の設置期間短縮、60%の設置面積削減などが見込めます*3。 そのため、環境負荷の低減や設置・運用コストの低減などのメリットが大きく、例えば発展途上国に移動式変電所*4 として設置する際にも、従来型の変電所と比較して、導入が容易に行えます。
私は、インフラが未整備の国や地域に対して、社会基盤構築を支える電力を供給することで、世界中の人々がQoL (Quality of Life)を向上しながら平和に暮らせるように、当社の技術を通じて貢献していきたいと考えています。