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日立ABBパワーグリッド社が、小型化・低損失化を実現し交直変換が可能な ソリッドステート変圧器の開発でシンガポールの南洋理工大学と協力
日立ABBパワーグリッド社(CEO:Claudio Facchin(クラウディオ・ファキン))は、シンガポール共和国(以下、シンガポール)の研究集約型の公立大学である南洋理工大学(NTU*1)と、従来の変圧器と比較して小型化・低損失化を実現し、交流と直流の変換や直流の電圧変換が可能なソリッドステート変圧器(SST*2)の実用化に向けた開発プロジェクトにおいて協力することに合意しました。本プロジェクトは、シンガポールの政府機関であるシンガポール国立研究財団(NRF*3)から資金提供を受ける予定で、NTUのエネルギー研究所が取りまとめを行います。当社は、本プロジェクトを通じて、シンガポールの電力網の強化と脱炭素化に向けた取り組みに貢献します。
SSTは、パワー半導体や制御回路、高周波変圧器を内蔵した変圧器で、小型化・低損失化の実現に加え、潮流・逆潮流電力*4の制御、高調波*5低減など多くの優れた機能を有しています。また、交流と直流の変換や異なる電圧レベルでの直流から直流への変換も可能なことから、交流と直流が混在する構成のシステムにおいて、より柔軟な電力変換を実現し、例えば、再生可能エネルギーの直流送電網への連系を容易にします。本技術は、データセンター、風力発電所、太陽光発電所、水素生成、電気自動車の充電設備などへの活用が期待されます。
シンガポール政府は、脱炭素化に向けて、複数のエネルギーの管理方法を変革する次世代グリッドシステムの構築をめざした取り組みGrid 2.0を推進しており、本プロジェクトはその一環です。また、シンガポールがめざす、効率的な土地活用による商業的ニーズと持続可能性の両立にも貢献します。
日立ABBパワーグリッド社の最高技術責任者(CTO*6)であるGerhard Salge(ガーハード・サルゲ)は、「本プロジェクトは、政府、学界、産業界が協力して、エネルギー転換の加速とQoL*7の向上に取り組むものです。グローバルテクノロジーリーダーとして、NTUと協力し、本プロジェクトに参画できることを嬉しく思います。」と述べています。
日立ABBパワーグリッド社のシンガポールのカントリーマネージャーであるNirupa Chander(ニルパ・チャンダー)は、「シンガポールはスマートシティの持続可能な開発において最前線の取り組みをしており、中でも電力網は重要な要素の一つです。本プロジェクトで NTU ならびに NRF と協力できることを誇りに思います。」と述べています。
NTUの研究担当役員であるLam Khin Yong(ラム・キンヨン)教授は、「SSTは多機能であり、電力網に分配される電力量を柔軟にコントロールすることができます。また、従来の変圧器のように複数の機器を必要とせず、土地の使用量も少なくて済むため、より効率的な電力網を実現するための魅力的なソリューションとなります。本プロジェクトにおける日立ABBパワーグリッド社とのパートナーシップの主な目的は、技術を研究レベルから実用レベルに引き上げることです。NTUと日立ABBパワーグリッド社は、SSTの技術開発において知識と経験を有しており、両者の協力は、持続可能なエネルギーの未来に向けた取り組みを促進するでしょう。」と述べています。
NRFのアーバンソリューション&サステナビリティ部門のシニアディレクターであるYeoh Lean Weng(ヨー・リーンウェン)博士は、「NTUと日立ABBパワーグリッド社のパートナーシップは、シンガポールの教育機関の優れた科学的成果を国際的に示す一つの例です。シンガポールは、国内のニーズを満たすだけでなく、より幅広いパートナーシップを通じて、国を超えて利益をもたらす最先端の研究を支援することを約束します。」と述べています。
日立ABBパワーグリッド社とNTUは、本プロジェクト以外にも蓄電システムやe-モビリティなど、パワーグリッド技術の開発で協力しています。当社は、今後も、脱炭素化に向けたグローバルな取り組みに先進の技術で貢献していきます。
* 1 NTU:Nanyang Technological University
* 2 SST:Solid State Transformer
* 3 NRF:National Resource Foundation
* 4 需要者側から電力系統に送り返す電力
* 5 基準となる周波数を逸脱した周波数の電流
* 6 CTO:Chief Technology Officer
* 7 QoL:Quality of Life
■日立ABBパワーグリッド社について
日立ABBパワーグリッド社は、日立とABB社で合わせて約250年の歴史を持つグローバルテクノロジーリーダーであり、90カ国で約36,000人の従業員を擁しています。スイス・チューリッヒに本社を置き、エネルギー、インダストリー、インフラ産業のバリューチェーンに加えて、モビリティ、スマートシティ、蓄電やデータセンターなどの新分野にも事業を展開しています。日立ABBパワーグリッド社は、グローバルトップの導入実績やフットプリントを生かし、お客さまの社会的価値、環境価値、経済価値のバランスを向上させます。また、より強じん、よりスマート、よりクリーンなグリッドを実現するためのパートナーとして、革新的なデジタル技術により“Powering Good for Sustainable Energy”を実現していきます。
詳しくは、ウェブサイト(https://hitachienergy.com/jp/ja/)をご覧ください。
■日立グループ パワーグリッドポータルサイト
https://www.hitachi.co.jp/products/energy/pg/