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日立エナジーが、産業分野向け無線通信ルーターを5G対応にアップデート
日立エナジーは、このたび、産業および社会インフラ分野のお客さま向け無線通信ルーター「Tropos TRO600シリーズ(以下、TRO600シリーズ)」に5G通信技術を搭載し、2月16日より販売を開始しました。TRO600シリーズは、2G、3G、4G LTE*1通信技術と、自己回復型ブロードバンドメッシュ技術*2、サブギガヘルツ技術*3を搭載した無線通信ルーターで、すべてのデバイスへの通信を統一し、お客さまの運用上のニーズに応じた高速かつ安全、信頼性の高い無線通信環境を提供するものです。また、高可用性、IP標準に基づいたセキュリティ、高スループット*4、低遅延性という特長を有しています。
今回の5G通信技術の搭載に伴い、新たに次の価値を提供することが可能となりました。
- 超高信頼・低遅延通信(URLLC*5)により、超高スループットの仮想・拡張現実や映像アプリケーションの使用、自動運転車に適した無線通信環境を実現し、運用の効率化やプロセスの最適化を支援します。
- 拡張性、柔軟性、安全性に優れた「ハイブリッド無線通信アーキテクチャ」により、パブリックおよびプライベートセルラー*6とブロードバンドメッシュを単一の通信ネットワーク上で組み合わせることで、特定の接続が利用できない場合や妨害される場合でも、シームレスな産業用通信を確保します。
- お客さまのデータドリブン*7型運用のさらなる拡大を支援し、エネルギー需要の効率的な管理や送電網への負荷バランスの調整を可能とします。
当社は、電力、製造、石油・ガス、鉱業、スマートシティといった産業およびインフラ分野における長い事業の歴史を有しており、お客さまの課題ならびにバリューチェーン全体の理解に努めてまいりました。TRO600シリーズは、こうした当社の知見に基づき設計されており、お客さまのミッションクリティカルな運用における高い信頼性とレジリエンスの確保を支援します。
日立エナジーのグリッドオートメーションビジネスユニット担当副社長であるマッシモ・ダニエリは、「当社が5G対応の通信機器のパイオニアとして、産業界や電力会社のお客さまに貢献できることを誇りに思います。5Gは、エネルギーシステムの分散化ならびに脱炭素化、エネルギー転換の推進に不可欠な技術です。5Gによって企業はデータドリブンなアプローチをさらに拡大し、エネルギー需要を効率的に管理し、送電網への負荷を調整することができます。」と述べています。
製造やインフラの自動化および製造システム市場に特化した米国のリサーチ&コンサルティング会社であるARCアドバイザリーグループのアドバイザリーサービス担当副社長 シャンタル・ポルソネット氏は、「5Gは、増加するモバイル、リモート、屋外アプリケーションや、産業、交通機関、スマートシティ、および公共の安全における複雑なユースケースにおいて、通信環境を大幅に向上させます。日立エナジーは、電力および通信ネットワークの構築と管理における歴史とリーダシップを有しており、5Gを活用した企業のデジタルトランスフォーメーションに貢献するでしょう。」と述べています。
*1 4th Generation Long Term Evolution: 携帯電話の通信規格の一種
*2 通信の一部が不通となった場合に自動的に別の経路に迂回させる機能を備えた、アクセスポイント同士を相互通信で結ぶ技術
*3 920MHz周辺の電波を用いた無線通信技術
*4 ネットワークが一定時間内に処理できるデータ量
*5 URLLC: Ultra Reliable and Low Latency Communications
*6 セルラーとは、地域をセルと呼ばれる小さな区域に分割し、各々に基地局を配置する方式。プライベートセルラーとは、従来の有線・無線ネットワークソリューションでは実現が困難な機能やユースケースを実現するために、ネットワークをカスタマイズしたもの。
*7 収集したデータの分析結果を基にすること
- ハイブリッド通信について
日立エナジーのハイブリッド通信ソリューションは、単一の通信ネットワーク上で相互運用可能な技術を組み合わせて提供することで、エッジデバイス、モバイルデバイス、フィールドネットワークといった、密集した都市部から郊外までの環境に対応したアプリケーションを利用可能とします。また、特定の接続が利用できない場合や妨害される場合でも、シームレスな産業用通信を確保します。TRO600シリーズは、ハイブリッド無線通信アーキテクチャに加え、ギガビット・イーサネット*8または光ファイバーによる有線通信が可能です。
リアルタイム接続を必要とするデバイスやアプリケーションの数が飛躍的に増加する中、5Gは比類のない速度、セキュリティ、信頼性を提供します。信頼性の高い接続性により、従業員の安全性が向上し、大規模なインダストリアルIoT(IIoT)や、公共事業、その他の基幹産業におけるミッションクリティカルなアプリケーションの拡張において、重要な役割を果たすことが期待されています。
*8 有線ネットワークの標準の一つであるイーサネットのうち、1Gbps(ギガビット毎秒)での通信に対応した規格群の総称。
- 日立エナジーの無線通信ソリューション ウェブサイト(英語)
https://www.hitachienergy.com/offering/product-and-system/communication-networks/wireless-overview
- ·日立エナジーについて
日立エナジーは、持続可能なエネルギーの未来へ向けた取り組みを加速する、グローバルな技術リーダーです。さまざまな分野のお客さまに、バリューチェーン全体にわたる革新的なソリューションとサービスを提供するとともに、お客さまやパートナーとの協創により、カーボンニュートラル実現に向けたエネルギー転換に必要な、デジタル技術を活用した変革を実現します。日立エナジーは、社会価値、環境価値、経済価値のバランスを取りながら、世界でより持続可能、より柔軟、より安心・安全なエネルギーシステムを構築する取り組みを進めています。スイス・チューリッヒに本社を置き、全世界90カ国に約38,000人の従業員を擁しており、140カ国以上の導入実績と、約1兆円の事業規模を有しています。
詳しくは、ウェブサイト(/content/pg//jp/ja)をご覧ください。
- 日·立エナジー関連リンク
(1) 公式Linkedin(英語)
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(2) 公式Twitter(英語)
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- 日立製作所について
日立は、データとテクノロジーで社会インフラを革新する社会イノベーション事業を通じて、人々が幸せで豊かに暮らすことができる持続可能な社会の実現に貢献します。「環境(地球環境の保全)」 「レジリエンス(企業の事業継続性や社会インフラの強靭さ)」 「安心・安全(一人ひとりの健康で快適な生活)」に注力しています。IT・エネルギー・インダストリー・モビリティ・ライフ・オートモティブシステムの6分野で、OT、ITおよびプロダクトを活用するLumadaソリューションを提供し、お客さまや社会の課題を解決します。2020年度(2021年3月期)の連結売上収益は8兆7,291億円、2021年3月末時点で連結子会社は871社、全世界で約35万人の従業員を擁しています。
詳しくは、日立のウェブサイト(https://www.hitachi.co.jp/)をご覧ください。
- 日立グループ パワーグリッドポータルサイト