遠隔地の負荷への送電

一般的に電力系統は、さまざまな負荷と発電所の間に複数の相互接続があるメッシュネットワークとして構築されています。このようなネットワークでは、電力は様々なルートを流れ、電力系統のコストはネットワーク内のすべての負荷に共通であると考えることができます。しかし、電力ネットワークに接続されていない、アクセス困難な場所も数多くあります。

これらの遠隔地の負荷には、離島や遠隔地の町、または鉱山などの遠隔地の産業が含まれます。遠隔地への電力供給は、メッシュネットワークからの放射状の送電によって、またはディーゼル発電機、ガスタービンを用いたローカルな発電によって行うことができます。必要な電力、負荷までの距離、およびその他の地理的要因に応じて、交流(AC)または直流(DC)送電は、遠隔地の負荷の電源としてローカル発電を補完または置換することができます。交流または直流を使用するかどうかの決定は、個々のプロジェクトの特定の技術的および経済的条件に左右されます。

HVDCソリューションの競争力を高めるには、通常、遠隔地からの負荷が一定以上の大きさで、場所がそれほど近くない必要があります。 遠隔地の陸地内の負荷は、HVDCを適用するには小さいかも知れません。例えば、100 MWの負荷を1,000 kmの架空送電線で供給することは、HVDC Lightとしては技術的には可能ですが、ローカル発電と競合できるかは疑問です。

島や半島への海上横断の場合、交流(AC)ケーブルは、ケーブルの充電電流のため、電圧や電力レベルにもよりますが、比較的短い距離 (約80 km) でしか使用できません。長距離のケーブル送電はHVDCの古典的なアプリケーションです。